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2020年度 退任教授記念講演会要旨
《退任教授》氏名をクリックすると要旨が表示されます。
《退任教授》題目順
アメーバ症の基礎・疫学研究と国際交流 ― 東海大学での40年 ―
橘 裕司
【2021.3.8】
泌尿器科学、その専門性を目指して
宮北 英司
 東海大学医学部を卒業後、東海大学病院に前期研修医として研修し、幸いにも医学振興会賞を賜ることができ、その後も東海大学での研修を継続させていただきました。 私の医師としての人生に大きく影響を与えてくれた方が2人存在します。一人は、泌尿器科に入局してしばらくたってTulane大学の留学から戻ってきたばかりの勝岡洋治先生(のちの大阪医大教授)に、医師として研究者としての薫陶を受け、その言葉を信じて研修を続けてきました。その後大学院生時に国際学会で、一人で発表する機会があり、留学から帰国したばかりの仲の良かった先輩にその発表の手ほどきを受け、留学することを勧められました。二人目は留学先のUniversity College of Dublin, Children’s Research Centre, DirectorのPrem Puri先生です。英語の未熟な私にも丁寧に話していただき、常に研究とその結果、論文化することを指導していただきました。Puri先生の子供たちと私の子供たちの年が近く、同じ学校の通っていたためもあり、家族ぐるみの付き合いをさせていただいたことも、大切な思い出です。大きな国際学会では、“私のそばを離れるな、君を世界のTop doctorsに紹介するから”言っていただき高名な先生方との面談も叶いました。帰国後はPuri先生の「Continuity is important」という言葉を胸に、留学先で勉強した小児泌尿器科をsubspecialityとして研究・臨床に励み、第23回日本小児泌尿器科学会会長の担当、さらに日本小児泌尿器科学会理事長として日本の小児泌尿器科をリードする立場になることができました。 定年を迎え、これまでの人生を振り返ってみると、東海大学という看板で自分を大きく見せてもらい、さまざまな体験させてもらいました。そのすべてが私の人生の財産となっております。個人では絶対できなかったことばかりなので、やはり感謝という言葉しか思いつきません。東海大学の皆様に大変お世話になりありがとうございました。【2021.3.8】
小児と小児科・小児科学
望月 博之
2009年7月に総合診療学系小児科学教授に就任いたして以来、小児科に関する診療、研究、教育に勤しんでまいりました。この12年ほどの間に、皆様のご指導を賜ることができましたことに、心から感謝申し上げます。
私は1981年に群馬大学医学部を卒業後、県内外の関連病院で幅広く小児科学を研修いたしまして、1989年からは2年間、米国カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校で呼吸生理学を学びました。専門は小児呼吸器学・アレルギー学ですが、この長い道のりの中、臨床面でも研究面でも小児科の枠にとらわれず、各方面の先生方から暖かいご指南を頂き、常に新しいチャレンジができたことは幸運でした。
小児科医は小児の特性を理解することが肝心で、近年は現代社会の影響を受けて顕在化する疾患もみられますので、今後とも、小児の患者さんとその家族とともに、診療を進めていく所存です。
末筆ながら、東海医学会の一層のご発展をご祈念申し上げます。【2021.3.8】
EPC:血管再生治療研究の歩みとこれから
浅原 孝之
【2021.3.15】
東海大学医学部泌尿器科教室と歩んだ40年
長田 恵弘
2020年3月15日。「東海大学医学部泌尿器科学教室と 歩んだ40年」と題し、退任教授講演を行った。
 1980年4月 東海大学医学部泌尿器科学教室入局後から現在までの約40年間を時間軸として研修医・大学院時代、 関連病院出向時代、UCLA留学時代、東海大学医学部付属八王子病院時代・東京病院勤務時代に便宜上4つの区分し、各時代に関与した臨床・研究内容の説明と協力を頂いた先生方や関係協力者各位に感謝の意を述べた。最後に40年間の泌尿器科医の集大成として術者として関与した手術総件数と掲載論文数と退任後は他院で泌尿器科医として勤務する傍ら東京薬科大学で東海大学医学部泌尿器科学教室の基幹研究テーマであった尿路感染症の迅速診断関する研究を継続することを報告した。
 予定公演時刻の遅れとコンピューターオペレーションの不具合により動揺を隠せず協力していただいた先生方や関係者各位のご芳名を失念してしまい、この紙巾を借りてお詫びと改めて感謝の意を申し上げます。【2021.3.15】
神経内科:過去・現在・未来
瀧澤 俊也
1981年に卒業後40年間に渡り神経内科の医局で多くを学び、教育・診療・研究の楽しい日々を送る事ができた。この間様々な出来事に遭遇したものの、沢山の先輩・後輩に助けられ、現在に至るまで神経内科では医療訴訟が0件で臨床に当れたことに心から感謝する。
さて、私の研究テーマは脳梗塞治療薬の開発である。脳梗塞の急性期治療として血栓溶解療法・血管内治療があるが全体の10%以下しか治療の恩恵を受けられず、残り90%の脳梗塞患者に対する治療法は確立されていない。こうしたunmet needsを解決すべく、神経保護や神経血管再生を標的とした新規の脳梗塞治療法の開発が期待される。これまで具体的に、ARB構造類縁薬、AGE阻害薬、PAI-1阻害薬、HIF-1活性化薬、G-CSFや再生アソシエイト細胞を用いた再生医療などを手掛けた。今後もこれらの治療法の臨床応用に向け、基礎研究・臨床研究を続けてゆきたい。【2021.3.15】
ふたつの健診を担当して
椎名 豊
健診センターは付属病院とともに歩み昨年45周年を迎えました。大学病院付属の健診センターの利点は精度の高い検査とそれに基づく診断、必要な二次検査や的確な治療が迅速に行える事です。年間受診者数は約12000名で年齢の中心は60歳代ですが70歳以上が著増し80歳以上は10年前の3倍です。新規の受診者も4割が60歳以上で今後も高齢者を含めた新しい健診スタイルを提案して行きます。健診センターは臨床研究審査会の審査を経た健診データの活用を行い教育の場としても年間を通じて多くの学生を受け入れています。
伊勢原健康推進室はキャンパスの中に病院施設を有する学内唯一の健康推進室である為その守備範囲も広い。学生・教職員健診、特殊健診に留まらず医療機関として結核の接触者健診などの感染対策、健康管理・保健衛生に関することの全ての相談が寄せられます。付属病院の機能を活用しながら効率化を進めて行きます。【2021.3.22】
ある不整脈専門医のリズム感とハーモニー
小林 義典
 これまで12年間にわたり多大なるご支援を賜りました東海大学医学部関係諸氏、循環器内科スタッフ、八王子病院関係諸氏に厚く御礼を申し上げます。本講演会では以下の内容について述べさせていただきました。

1)不整脈専門医認定制度立ち上げに深く関与しましたが、学会作業部会から制度実現までの経緯、その目的、これまでの成果、今後に展望について.

3)学術的貢献:臨床心臓電気生理学分野、カテーテル・アブレーション黎明期の業績、循環器救急に関連する研究など.

4)専門書の出版:臨床心臓電気生理学分野、教育本、翻訳書など.

5)八王子病院執行部一員(病院長)としての2年間の成果.

もちろんこれらには紆余曲折があり、リズム感よく進められたこともありますが、時には調律が乱れたり、徐拍化したこともありました。また周囲との調和に欠ける選択をしてしまったことなど反省すべき点は多々あります。ただ、最終的には有意義な学園生活を歩ませていただいたと思っています。 私ごとですが次年度も特任教員として八王子に残ります。この12年間にできなかったことに再挑戦する機会になればと願っております。【2021.3.22】
食道外科の進歩と共に
小澤 壯治
1913年にTorekが世界で最初の食道切除術を報告して以来、食道外科はまず安全性を、次に根治性、そして現代では機能温存(低侵襲手術)を目指すようになってきました。私は、低侵襲食道切除として内視鏡下手術やロボット支援下手術に取り組んできました。2009年に私が東海大学に赴任後、腹臥位胸腔鏡下食道切除術を導入して手術手技の定型化をはかり、施行率は2018年以降には90%以上になりました。手術支援ロボットdaVinciを用いた手術を胃食道逆流症や食道アカラシアに対して2000年から28例施行した経験を生かして、触覚付きハプティクス鉗子の研究や、2019年には食道癌に対するロボット支援下手術を導入して、2021年2月まで32例の症例に施行しました。また、術後合併症の軽減を目指した術中反回神経機能モニタリングの保険適応拡大の業務に携わり、2020年4月からの診療報酬改訂に貢献できましたことは、全国への普及が期待されますので大変嬉しく思っています。基礎的な研究面では癌患者から得られた切除標本や血液を用いて食道癌の研究を若手研究者と行い、食道癌診療に役立つ新しい知見を得ることができました。消化器外科医として大切なことは、チーム医療による患者中心の診療を行うこと。大学人として大切なことは、1)若手の指導と育成、2)新しいことの探求、3)共同研究による発展、4)研究費の獲得であると、これまでの経験から考えるに至りました。最後に、これまでご指導下さった先輩、そして一緒に仕事をしてきました同僚と後輩に感謝いたします。【2021.3.22】